排卵

排卵と妊娠

排卵前の卵子は、卵巣内に存在し、多くの細胞によって保護されています。この状態は「卵胞」と呼ばれ、卵巣内には複数の卵胞が存在します。
毎月、脳の視床下部から特定の卵胞を成熟させるように指令が出され、脳下垂体から卵胞刺激ホルモン(FSH)が分泌されます。このホルモンの影響を受けた卵胞は成長し、卵胞ホルモン(エストロゲン)を分泌し始めます。卵胞ホルモンは女性ホルモンの一つで、子宮内膜を妊娠に備えて厚くする役割があります。また頚管粘液を増やすことで精子が頚管内を通過することを助けます
卵胞が適切に成熟すると、次に黄体化ホルモン(LH)が分泌され、排卵を刺激します。これにより、卵胞が破裂し、卵子が放出されるのが排卵です。
排卵後、卵子が精子と受精すれば、受精卵として子宮に向かい、子宮内膜に着床します。一方、受精しない場合、厚くなった子宮内膜は不要となり、月経として体外に排出されます。
卵胞の成熟や排卵を調節するホルモンは、脳の視床下部によって制御されています。視床下部には自律神経の中枢も含まれており、自律神経の乱れやストレスがホルモンバランスに影響を及ぼし、月経周期の乱れを引き起こすことがあります。そのため、妊活においては心身の健康も考慮することが重要です。

排卵日とは

排卵日排卵日とは、妊活を始めた多くの人が出会う言葉の一つです。この日は卵巣で成熟した卵胞が壊れ、卵子が排出される日を指します。一般的に、排卵日の前々日から当日は妊娠の可能性が高まると言われています。しかし、排卵日は体が出す自覚症状が少ないため、いつ訪れるのかを把握するのは難しいこともあります。排卵日を特定するためには、まず排卵のメカニズムや体内の変化について理解することが大切です。

排卵日の計算
(どうやってわかる?)

生理周期が規則的な場合、月経周期からの予測が比較的容易かもしれません。例えば28日周期の場合、生理開始から約14日後が排卵日の予測となり、30日周期の場合は約16日後あたりが考えられます。

生理前おりものに
特徴がある?

排卵の影響はおりものにも現れます。おりものは、膣内に細菌が侵入するのを防ぐ自浄作用のほかに、精子の受け入れを助けて受精を促進する役割があります。通常、おりものは膣上皮から分泌されますが、排卵期には子宮頸管粘膜の上皮細胞から粘り気のあるおりものが増加します。排卵自体は自覚症状がほとんどないですが、おりものの量が増え、粘り気が増すと、排卵日が近づいている兆候と言えます。排卵日を過ぎると、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が増加し、おりものの量が減少し、白いかたまりのような状態になることもあります。

妊娠しやすい時期

一般的に、妊娠の可能性が高まるのは排卵日の2日前から当日だとされています。排卵日の2日前に精子が子宮内で待機していると、排卵が起こるとすぐに受精しやすくなります。そのため、妊娠を希望する方は、基礎体温やおりものの状態を観察し、排卵日を予測し、その2日前あたりに性交することを推奨します。
また、市販の排卵日予測検査薬も参考になります。排卵検査薬は、尿中の排卵を促す黄体化ホルモンを検出し、排卵日を予測するためのものです。ただし、多くの検査薬は排卵日の前日または当日に陽性反応が出るため、妊娠の確率が最も高いとされる排卵日の2日前を検出するのは難しいことがあります。
そのため、生理周期の中で排卵日を特定し、検査薬を使いながらパターンを把握することが重要です。毎月コンスタントに検査を行うことで、生理終了後からの経過日数に関連して検査薬が陽性反応を示すタイミングを理解できるようになります。これにより、排卵日の予測が容易になり、排卵の2日前のタイミングを把握しやすくなります。また、過度の禁欲期間は精子運動性の低下を引き起こすので、排卵日にかかわらず夫婦生活は推奨されます。

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